先日(10月13日土曜日)放送された、
NHKスペシャル/AIに聞いてみた どうすんのよ⁉ニッポン 第3回「健康寿命」
過去シリーズの中で一番面白かったし、なかなか示唆に富んだ放送でしたよー
マツコさんも番組の最後のほうで、
「これまでで一番良かったんじゃない~」と言ってました。
番組放送日に投稿した当ブログ記事がプチバズったので、多くの方がご興味あるテーマだったんですね。
バズと言っても当ブログの中では、という意味です(〃ノωノ)
その前回記事はこちら↓
放送後のレビューを前回記事に追記しようと思っていたのですが、
文字数が多くなりそうなので新記事として投稿しますー
一言で言うと、、、
全国の行政関係者、市長、区長、町長、村長さんに見てもらいたい放送でした!
番組のテーマと簡単な概要
まずは番組概要から。
【人間がどうにもできない社会問題。解決の一手をAI(人工知能)に聞いてみた。】
NHKが開発したAIを駆使して、日本が直面する課題の解決策を探る シリーズ、「AIに聞いてみた」。
第3回のテーマは、「健康寿命」。「健康寿命」は元気に何歳まで過ごせるかを示す値で、「平均寿命」との差が短ければ短いほど、多くの人が死ぬ間際まで元気な「ピンピンコロリ」の人生を送ることができる。
しかし日本ではこの差が、男性で約9歳、女性は約12歳もあり、その間、寝たきりや介護状態などで暮らしているのだ。 この差を短くして老後の人生を豊かに、そして医療費や介護費を減らすにはどうすればいいのか?
この難題に立ち向かうため、「AIひろし」は今回、日本各地の65歳以上の膨大な生活データを徹底的に学習。 AIの分析結果から読み解かれた「老後も元気な人の秘密」とは!?
今回も、マツコ・デラックスと有働由美子の強力タッグを迎え、各分野のエキスパートたちとともに、AIからの挑戦状に立ち向かう!
出典:NHKスペシャルHPより https://www.nhk.or.jp/special/askai/
、、、ということで、
番組の中で、難題に立ち向かった「AIひろし」(命名byマツコ)が大活躍し、
健康寿命を延ばすためのヒントを提言したのでした。
「AIひろし」は何をしたのか?
今回の放送のテーマ「健康寿命を延ばすヒントを探す」ために、
日本全国の65歳以上、のべ41万人の生活習慣や行動に関するアンケートを分析。
「AIひろし」は、NHKが独自に開発した人工知能
アンケートの質問は600問以上、10年以上にわたって追跡調査を実施し、
そこから得た膨大なデータ、、、
すべての質問の関係を調べあげ(およそ18万通り!)、
さらに、その質問が「健康と不健康のどちらに関係するか」を判別したそうです。
AIにしかできない作業ですね!
導き出された3提言は、意外⁉な結果に
結論から先に言いますと、、、
1.本や雑誌を読む
2.ひとり暮らし
3.地域の治安を良くする
の3つが健康寿命を延ばすための提言でした。
えっ、
食事や運動や睡眠よりも「読書」⁉
人とのつながりよりも「ひとり暮らし」⁉
など、ちょっと意外でした。。。
では、まず「なぜ読書をすると元気に生きられるのか?」
からいきましょー
1.本や雑誌を読む
健康要素の中で、他の健康要素と最も多くつながっていたのが、
「本や雑誌を読む」だったとのことで、
しかも不健康要素とのつながりが全く見当たらない、という驚きの結果でした。
尚、AIはつながりを示すだけであり、その因果関係は人間が読み解いていく、、、
これぞ、AIと人間との協業ですね
ということで、
これを裏付けるために、番組スタッフはなぜか山梨県に飛びます。
なぜか?
山梨県が、読書⇔健康長寿のモデル県? マツコさんの提言は?
その前に、これ↓をご覧ください。
出典:NHKスペシャルHPより https://www.nhk.or.jp/special/askai/
健康寿命が縦軸、平均寿命が横軸。
この中で、健康寿命が最も長く(男性は全国1位、女性は3位)、平均寿命も全国平均より長いのが
山梨県。
ちなみに、運動やスポーツの実施率はなんと全国最下位だそうです笑
にもかかわらずなぜ山梨県の健康寿命が長いのか?
読書といえば、、、本、
本と言えば、、、図書館、、、
実は山梨県は人口に対する図書館の数がダントツの全国1位なのだそうです。
そこでの取材で出会ったのは、
- 頻繁に図書館にバスで来たり、
- 手すりなしでスイスイと階段を昇ったり、
- 読みたい本を探して歩き回るのでいい運動になったり、
- 様々なジャンルの本から知的な刺激を受け物忘れも少ない、
といったAIひろしが示した健康要素のつながりと一致する人たち。
放送内で、
千葉大学教授曰く、
「“心が動くと体が動く”という言葉があるが、何かやってみたいことを見つけると、旅行に行こうとか、行動を起こそうとなる。読書は心を動かし、行動を起こすきっかけを与えてくれるのでは」や、
また、東大教授曰く、
「病院を建てたり、医療を充実させることに比べ、学校司書を増やしたり図書館を充実させる方が、コストがかからない」
という意見が出てました。
マツコさんからは、
「図書館を夜遅くまで開けておけば、日本全体に健康効果があるのでは」と一言。
⇒これ、大賛成です!! 放送内で一番刺さりました^^
図書館ってアマゾンとは違う楽しさがあるんですよね。
夜までやってる図書館があると、街も活性化しそうだし。
実現すると本屋さん大変だけど。
アメリカ・イェール大学の「読書と寿命」に関する論文
さらに、アメリカ・イェール大学が発表した「読書と寿命」に関する論文でも、読書を推奨する結論が。
50歳以上の約3600人を「本を読む人」と「まったく読まない人」のグループに分け、
12年に渡って追跡調査した結果、、、
「本を読む人」の方が2年近く寿命が長かった
性別や健康状態、財産、学歴には関係なく、本を読むことが長寿につながっていたと結論づけたそうです。
また、ある研究機構が現在調査中の研究では、
「図書館が近くにある人は要介護リスクが低い」というデータもあるそうです。
結論
本を読もう!
2.ひとり暮らし
ひとり暮らし、と聞くと、
ひきこもりや、孤独死など負のイメージ、健康に悪そうなイメージがありませんか?
が、、、
AIひろしは、意外にも健康要素とも多くつながっていることを突きとめてました。
逆に、
「子どもと同居」は不健康要素とのつながりがほとんど、という驚きの結果。
ひとり暮らしをポジティブに楽しむことが重要
実際に、ひとり暮らしになって起きたことをひとり暮らしのお年寄りに聞いてみると、
- 友達と会ったり、予定でカレンダーがすぐいっぱいになる
- 新しいことを始めるようになった。
- 誰にも頼れないから、買い物のために長距離を歩くようになった
- 一人暮らしで誰にも気兼ねしない生活を楽しんでいる
など、
ひとり暮らしになってから始めたこと、起きたことが、
AIひろしが示した健康要素と一致していることが多かった。
逆に子どもと同居している人からは、
- 子どもが話を聞いてくれない、
- 頼みごとをしても嫌がられる
といった声が聞かれ、不健康要素とつながる声が多く、
ひとり暮らしの人より、同居している人の方が、悩み(ストレスですね)が多かったようです。
(調査 辻川覚志 医師)
出典:NHKスペシャルHPより https://www.nhk.or.jp/special/askai/
マツコさんの提言は、公営団地の改築⁉
これから日本は、間違いなく「ひとり暮らし」が増えていきます。
AIひろしは、ひとり暮らしが健康とつながっている可能性を示しましたが、
単純に「ひとり暮らしをすれば健康寿命が延びる」ということではなく、
「ひきこもり型ひとり暮らし」ではなく、「ポジティブ型ひとり暮らし」を推進する方向
例えば「友だちと会ってみよう」「趣味をみつけてみよう」といった
明るい気持ちになれるような社会的支援が重要、という結論でした。
イギリスには、「孤独担当大臣」がいるそうですよー
マツコさんの提言は、
「空いてる公営団地を改築し、緩やかな共同生活ができるようにしたらいいんじゃない~?」
⇒緩やかなコミュニティの中での「ひとり暮らし」。ありかもですが、夫婦で健在なら「ふたり暮らし」でいいのでは?と思いました。
マツコさんも、この「ひとり暮らし」の推奨には保留と言ってました、笑
結論
ひとり暮らしになったら、明るくポジティブに!
3.地域の治安を良くする
番組の最後に、AIひろしは、人間が死ぬ前10年間の不健康ルートを分析。
死の3~6年前あたりでは病気や体の衰えなど、体に関する不健康な要素が数多く見られ、
その3年前は、「心」に関するもの(弱音を出せる友人がいる、生活を楽しめない、など)が多く、
さらにその前、亡くなる10年くらい前からは、、、
「地域に関すること」の要素(地域の趣味活動に参加、地域から孤立など)が多くからんでいたことを見つけました。
地域と健康寿命には密接なつながりが!
不健康な生き方のルートの典型としては、
まず、死の約10年前に治安が悪いと、
その3年後にはさまざまな不健康な要素(外出が面倒、疲労感あり、生活が楽しめない)とつながり、
その先の3年後も不健康な要素(経済困窮、退屈な人生、生活機能の衰え)とつながり、
最期、死を迎える、という不健康ルートでした。
埼玉県が、治安改善⇔健康長寿のモデル県
放送では、この不健康ルートにならないためのヒントを埼玉県に見いだしていました。
埼玉県は、男性の健康寿命が全国12位から2位にジャンプアップした県。
治安の観点で調べると、
埼玉県は防犯ボランティア団体の数が、全国一位で、
犯罪ボランティアの増加とともに、治安がみるみる良くなり
犯罪認知件数が過去最悪時の三分の一にまで減少していたという事実が見つかった。
番組では、実際に埼玉県の人に、
「治安がよくなったことで健康になると思いますか?」
と聞いたところ、、、
「外出しやすくなる⇒歩くことが多くなる⇒健康になる」
「悩み事、心配がなくなる⇒安心できる⇒健康になる」
「防犯ボランティアのおかげでゴミの不法投棄が減る⇒散歩したい気になる」
など、
治安と健康の関係性が浮き彫りになってました。
貧富の格差を縮めることが
じゃあ、治安を良くするには?
防犯ボランティアもひとつの解決策ですが、番組ではもっと根本的な話になりました。
犯罪学での研究によると、、、
犯罪は、地域の貧富の格差が広がった地域で多く起こる、という報告や
格差の大きい国の方が、裕福な人を含めて死亡率が高い、という研究結果が出ていました。
つまり、
- 格差が大きい⇒
- 人々のつながりが弱くなる⇒
- 防犯活動が弱くなる⇒
- 治安が悪化する⇒
- 健康に悪影響
という流れです。
番組では千葉大教授(医師でもある)から、
「貧富の差を縮めるような社会政策が、国民の健康水準を上げるために大事」
との提言があり、これも納得でした~
結論
長年、地道に防犯活動ボランティアをやってる妻に伝えたい!
きみはいいことやってるよ!^^
でしょ^^
NHKスペシャル「AIに聞いてみた」を見る方法
この番組は、2018年10月13日(土曜日)21時~が本放送でした。
1.再放送(無料)
いまのところ、再放送の予定は発表されていませんが、
過去の「AIに聞いてみた」再放送をみてみると、本放送から1カ月後くらいまでには再放送されているようです。
2.NHKオンデマンド(有料)
NHKが放送した番組をブロードバンド回線を通じて、日本国内限定でPCやスマートフォン、タブレット等に有料で配信する動画サービス。
もちろん、NHKの番組しか見ることはできません。
3.U-NEXT でNHKオンデマンドを見る(無料/有料)
すぐに無料で見たい場合はこれです!
U-NEXT(ユーネクスト)は、さまざまな放送局の番組や映画などの動画を配信。
NHKとも提携していて、毎月付与されるポイント1,200円(初回の31日間無料体験では600円)を使ってNHKオンデマンドオンデマンドの「見放題パック」を購入することができます。
もちろん、本記事でとりあげた「AIに聞いてみた(第3回/健康寿命)」も、
過去の同シリーズも、NHK以外の映画やドラマ、ドキュメントなども
いろいろ見ることができます!
で、、、1カ月無料体験して、必要ない場合はその前に退会しても大丈夫ですよー↓^^
※もっと詳しく知りたい方はコチラ
※紹介している作品は、2018年10月時点の情報です。
現在は配信終了している場合もありますので、最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
まとめ
長文の投稿におつきあいいただき、ありがとうございます。
読書、ひとり暮らし、治安改善、、、健康長寿への意外なヒントでした。
この番組、
健康長寿を延ばしたい方はもちろん(シニアも若い方も)、
全国各地域の行政に携わる方々に見てもらえると、
今後の「いい街づくり」「健康な街づくり」のヒントになるのではと思っています。
番組の最後、
マツコさんから思わず本音が、、、
「この番組やって、よかったってはじめて思った~」
(笑)(笑)(笑)
ぜひ、みてみてください~ 😎